アンプやエフェクターによってギターサウンドは大きく変化しますが、ピックアップも大きな影響を与えています。ギタリストであれば誰もがピックアップの交換を考えたことがあるでしょう。こちらではストラトキャスターのリプレイスメント・ピックアップ(交換用ピックアップ)をご紹介します。
この記事のポイント
ストラトキャスターのピックアップ
ストラトキャスターはエレキギターのスタンダードであることから、数多くのリプレイスメント・ピックアップが販売されています。こちらでは目的や機能ごとに解説をしましょう。
定番ピックアップ
アンプやエフェクターに定番があるように、リプレイスメント・ピックアップにも定番があります。ピックアップ選びで迷ったら、定番からチョイスすると良いでしょう。
ヴィンテージ系
ブルースやファンクではヴィンテージ系のサウンドが求められます。50年代や60年代のストラトキャスターの持つサウンドを再現しているので、ヴィンテージにあこがれるギタリストにオススメです。
【フェンダー】Texas Special
“テキスペ”の愛称で知られる、定番のリプレイスメント・ピックアップです。本来のストラトキャスターはブライトなサウンドですが、Texas Specialはミドルを強調することで粘りとバイト感を出しています。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンが使用したことで知られるピックアップで、ハードなブルースにマッチしたサウンドです。
【セイモアダンカン】SSL-1 VINTAGE STAGGERED STRAT
セイモアダンカンといえば世界有数のピックアップ・メーカーですが、中でも古くから知られているピックアップといえばSSL-1でしょう。50年代のストラトキャスターの持つ、澄み切ったハイが特徴です。
キラキラとしたハイが出ますので、クリーントーンによるアルペジオは最高です。価格も手ごろですので、初めてのリプレイスメント・ピックアップにもオススメ。
SSL-1は僕も好きなピックアップです。粒立ちが良く存在感のあるサウンドで、本当に弾いて気持ちいいですよ!
【ディマジオ】DP408 WHITE Virtual Vintage '54 Pro
セイモアダンカンと並んで主要ピックアップ・メーカーのひとつであるディマジオ。そんなディマジオの技術によってヴィンテージサウンドを再現したピックアップがDP408です。 ハイ寄りのサウンドとなっているので、クリーントーンでのカッティングやクランチでのブルースに向いています。
【フェンダー】Vintage Noiseless
ヴィンテージ・ギターは魅力的ですが、どうしてもそこにノイズが発生していました。そのノイズを低減してヴィンテージサウンドを再現したピックアップが、フェンダーのヴィンテージノイズレスです。
これまでもノイズを減らしたピックアップはありましたが、どうしてもシングルコイルから遠いサウンドになっていました。しかしVintage Noiselessはシングルコイルらしさを残しつつ、ノイズの低減に成功しています。
これを搭載したクラプトンのシグネイチャーを弾いたことがあります。驚くほどローノイズで、それでいて伝統的なシングルのサウンド。本当に感動しましたよ!
ハイパワー系
ストラトキャスターは古くからハードロックでも使われているギター。そのため高出力のピックアップも求められていたのです。こちらにはハイパワー系のリプレイスメント・ピックアップを集めました。
【セイモアダンカン】SSL-4 Quarter-Pound Flat
ハードロック・ギタリストのレジェンドであるリッチー・ブラックモア。そのリッチーが自身のストラトキャスターに搭載していたのがSSL-4です。ふくよかなミドルとハリのあるハイが特徴で、しっかりと芯のあるハードロックサウンドが出せるでしょう。 ピックアップを弦に近づけ過ぎるとブーミーになってしまうので、サウンドをチェックしながら調整してください。
このピックアップ、とにかくガッツのあるサウンドなんです!ギターの音が弾丸のように飛び出してくるようなイメージです。クラシックなハードロックに最適ですね
【セイモアダンカン】SSL-5 Custom Staggered
セイモアダンカンのハイパワーなピックアップといえばSSL-5でしょう。コイルのターン数を増やすことで高出力を実現させました。太さの中にも十分なハイがありますので、ストラトキャスターらしさを失うこともありません。
【 ディマジオ】DP420 WHITE VIRTUAL SOLO
ディマジオを代表するハイパワー系といえばDP420です。太く存在感のあるサウンドなので、バンドサウンドの中でも十分に抜けるでしょう。サスティーンも良いのでリードプレイに最適なピックアップです。 DP420は太さが特徴のピックアップなので、ストラトキャスターらしさが少し薄くなっています。そのためストラトキャスターの枠にとらわれないギタリストにオススメです。
【ヴァンザント】ROCK
ギターメーカーとしても知られるヴァンザントのピックアップです。ターン数を増やすことで出力がアップしており、存在感のあるリードトーンをアウトプット。きらびやかなハイがありますので、エリック・ジョンソンをはじめとする多くのギタリストが使用しています。
個人的にエリック・ジョンソンは大好きなギタリストです。天から降り注ぐようなトーンと驚異的なピッキングテクニックを持つギタリストですので、10代のキッズにも聴いていただきたいですね
シグネイチャー
ギターやアンプと同様に、ピックアップにもシグネイチャーモデルが存在します。あこがれのギタリストのサウンドに近づくため、ピックアップは欠かせない要素のひとつです。
【セイモアダンカン】STK-10b YJM FURY
ネオクラシカルギターの頂点に君臨するイングヴェイ・マルムスティーンですが、そのサウンドの核となっているのがこのピックアップ。あえて低出力にすることでピッキングニュアンスをダイレクトに伝えることができます。
さらにスタックタイプの構造にしてハムノイズをキャンセルしているので、シングルコイル特有のノイズの心配がありません。
【ディマジオ】DP267F Dark Matter 2 Middle
奇想天外なフレーズと超絶技巧で知られるスティーヴ・ヴァイ。HSHというピックアップ構成のギターを使っており、こちらはそのセンターのピックアップです。もちろんストラトキャスターに搭載することも可能で、非常にバランスの良いトーンになっています。Hi-Fiなサウンドなのでフュージョンなどにも向いているでしょう。
スティーヴ・ヴァイはいわゆる変態系ギタリストのひとりですが、とにかくテクニックを総動員した感情表現が大好きです!
シングルサイズのハム
ノイズが少なくパワーのあるハムバッカー。ボディをザグることでストラトキャスターに搭載することができますが、それは非常にハードルの高い改造です。しかしシングルサイズのハムであればザグる必要がありません。ハムバッカーのサウンドを求める方のため、こちらではシングルサイズのハムをご紹介しましょう。
【ディマジオ】DP182 WHITE FAST TRACK 2
ディマジオにはいくつものシングルサイズのハムを製造していますが、中でも最大の出力を誇るピックアップです。スタンダードなハムバッカーと比較しても図太いサウンドですので、ハードロックやメタルに最適でしょう。
ミドルに少しクセのあるピックアップなので、それを踏まえた上で音作りをしましょう。使いこなすことで十分ヘヴィなサウンドを出すことができます。
僕の初めてのリプレイスメント・ピックアップは、このファストトラック2でした。PANTERAのコピーをしたんですが、十分対応できるほど歪むピックアップでしたよ」
【セイモアダンカン】SJBJ-1b JB Jr. Strat Bridge Black
セイモアダンカンの人気ハムバッカーであるJBを、シングルコイルのサイズにしたのがこちら。JBといえばリプレイスメント・ピックアップの定番で、このサウンドにあこがれるギタリストは多いことでしょう。
ハムサイズのJBと比較するとややブライトなサウンドですが、ハードロックでも通用するヘヴィなピックアップです。
【セイモアダンカン】SHR-1b Hot Rails Strat Bridge White
シングルサイズのハムバッカーの定番。実際のハムバッカーに非常に近いサウンドですので、ハードロックやメタルにも十分対応します。自分のストラトキャスターの可能性を広げたいギタリストにうってつけ。しかしブレードタイプのルックスなので、そこに抵抗のあるギタリストも少なくありません。
アクティブ
バッテリーを使用することで低ノイズかつ高出力を実現させたアクティブピックアップ。もちろんハムバッカーだけでなく、ストラトキャスター用のシングルも存在します。こちらではアクティブピックアップを集めました。
【EMG】SA Black Pickup
アクティブピックアップといえばEMGですが、EMGのシングルといえばSAでしょう。エフェクターやアンプのキャラクターを素直に表現するピックアップです。そのためエフェクターを多用するギタリストにオススメ。
非常にローノイズなピックアップでもありますので、シングルコイルのノイズに悩むギタリストからも評判です。
EMGのピックアップとエフェクターの相性はバツグンですね。特に空間系の乗りの良さは格別です
【セイモアダンカン】Blackouts Singles AS-1
アクティブピックアップはセイモアダンカンからもリリースされています。豊かなミドルと抜けの良いサウンドを持ちながら、シングルコイルらしいエッジも感じられるピックアップ。そのためメタルコアなどヘヴィなジャンルをプレイするギタリストにもオススメです。
レースセンサー
パッシブでありながらローノイズを実現させたレースセンサー。エリック・クラプトンやジェフ・ベックのシグネイチャーモデルに搭載されたことで、一躍ロックシーンに知られることになりました。こちらではレースセンサーの各モデルの特徴を解説しましょう。
ストラトキャスターのピックアップで僕が最も気に入っているのが、実はレースセンサーなんです。そこまでメジャーではありませんが、シングルコイルの弱点をカバーしたサウンドは一度試していただきたいですね
【レース】GOLD
伝統的なシングルコイルのサウンドを再現したモデル。ブライトなハイでありながらローノイズです。ローノイズなピックアップはサウンドがボヤけることもありますが、しっかりとシングルコイルのキレの良さがあります。そのためクランチでのカッティングにもオススメです。
【レース】RED
レースセンサーの中で最も高出力のモデルです。深く歪ませてもローノイズで、ハードロックやメタルにも対応したパワーがあります。そこにはしっかりとシングルコイル特有のエッジがありますので、ハムバッカーとはひと味違うディストーションサウンドです。
ピックアップ交換の魅力
ピックアップによるサウンドの変化は分かっていても、改造はハードルが高いものです。しかし現在はネット上に分かりやすい解説がアップされているので、ぜひ自身でトライしてください。ピックアップを交換するだけでストラトキャスターの可能性を広げることができますよ。
でもピックアップ交換をきっかけにして改造に目覚めてしまうと、ポット、配線、ハンダにもこだわりたくなるんですよね。改造は沼なので一度ハマったら抜け出せませんが、これもギターの魅力なんです。
ピックアップの買取は楽器の買取屋さんへ
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