Fenderのストラトキャスターと並んで、エレキギターの人気モデルであるGibsonのレスポール。世界のトップギタリストたちが使っていることから、レスポールにあこがれを持つ方は多いことでしょう。そのレスポールにはどのような魅力があるのでしょうか。
この記事のポイント
レスポールとは?
ロックの歴史を支え続けているレスポール。誰もが一度はそのサウンドを耳にしたことがあるでしょう。多くのギタリストから愛されているレスポールの魅力に迫ります。
レスポールの歴史
レスポールはGibsonにとって初めてのソリッドギターで、ジャズギタリストのレス・ポールと共同開発されました。私たちが知るレスポール・ギターは、“ジャズギタリストのレス・ポールのシグネイチャーモデル”なのです。
レスポールがシグネイチャーだったことをご存じないギタリストも多いのでは?若いころは僕も知りませんでした…
Gibsonがレスポールを販売したのは1952年。当初はジャズやカントリーでのプレイを想定しており、ピックアップにはP-90を搭載。P-90はシングルコイルでありながら、比較的パワフルなサウンドが特徴。しかしハムキャンセル効果がありませんので、ノイジーなサウンドでもありました。
1957年になると、レスポールはピックアップをハムバッカーに変更。
ハムバッカーを搭載することでハムノイズが抑えられ、より高出力が可能になったのです。このピックアップはPAFと呼ばれており、レスポール・サウンドの肝となっています。
その後の音楽シーンではハードロックが全盛になり、高出力のギターサウンドが求められるようになりましたが、そのような中でも高出力のレスポールは活躍できたのです。そして現在のレスポールはロックギターのアイコンとなりました。
本来はジャズをプレイするためにデザインされているため、甘いサウンドも魅力。キリンジの堀込高樹は、レスポールで極上の甘いトーンを出していました。個人的にキリンジ大好きなんですよね
レスポールのスペック
ギタリストであればギターのスペックが気になるもの。こちらではレスポールのスペックをご紹介しましょう。どのパーツにもGibsonらしいこだわりが見られます。
ボディ
レスポールのボディはバックがマホガニー、トップにメイプルが貼り付けられています。マホガニーは温かく分厚いサウンドが特徴で、これはレスポールの魅力のひとつです。そしてボディの表面はバイオリンのようなアーチトップになっており、高級感を演出しています。 ピックガードも取り付けられていますが、スラッシュやザック・ワイルドのように取り外すギタリストも少なくありません。
個人的にレスポールのピックガードは、付けたままの方が弾きやすいです。でもルックス的には外した方がカッコいいんですよね
ネック
レスポールのネックは基本的にマホガニーが使用されておりヘッドには角度が付けられています。これによって温かみのあるサウンドになるのですが、ネックが折れやすいというデメリットも。そのため後にヘッドの付け根にボリュートと呼ばれる、コブのような膨らみが付けられました。これによってネックの強度がアップし、ネック折れのリスクを軽減に成功したのです。
それでもレスポールのネックは折れます!これはレスポールに限らず、Gibson系のネックはポキポキ折れます!僕はレスポール、フライングV、SG、ES-335、ひと通りのネック折れを目にしたことがあります
レスポールのスケールは628.65ミリですので、ストラトキャスターより19ミリほど短め。これによって弦のテンションが柔らかくなり、太い弦でも楽にチョーキングができるのです。レスポールならではの太いサウンドは、このスケールも影響しておるでしょう。
参考:壊れたギターは買取できる?ネック折れ・音が出ないジャンク品ギターを高価買取できる理由
ブリッジ
レスポールのブリッジはチューン・オー・マチック、ストップ・テイルピースによって構成されています。
これはまずストップ・テイルピースに弦を通し、チューン・オー・マチックによってオクターブチューニングを行うシステムです。 ザック・ワイルドはネック側から弦を通し、テイルピースの上に通す方法で弦を張っています。これによってチョーキングのタッチが軽くなるため、レスポールを使うのであれば知っておきたいテクニックです。
レスポールの種類
ロックギターの王道であるレスポールですが、そこにはいくつかの種類があります。それぞれに個性がありますので、その違いをご紹介しましょう。
レスポール・カスタム
レスポール・カスタムはレスポールのフラッグシップモデル的存在。希少な木材であるエボニーを指板に使用し、バインディングにも高級感があります。
そしてビジュアル面で最大の特徴はヘッドのダイヤモンド・インレイと、1フレットのポジションマークでしょう。これにあこがれるギタリストは少なくありません。また黒いフィニッシュのレスポール・カスタムはブラック・ビューティの愛称で知られています。
ブラック・ビューティといえばジョン・サイクスですね。Thin LizzyやBlue Murderで活躍したギタリストですが、やっぱり僕はWhitesnakeでのプレイが大好きです
レスポール・スタンダード
最も広く知られたレスポールといえばレスポール・スタンダードでしょう。1958年から販売されており、サンバーストのイメージが強いモデルです。 レスポール・スタンダードはマイナーチェンジが繰り返されており、ネックシェイプの変更、ロックペグ、コイルタップによるシングルコイル・サウンドなどが導入されています。
レスポール・スタジオ
インレイやバインディングなどの装飾を省略し、スタジオ・ミュージシャン向けに開発されました。シンプルなデザインでハイコストパフォーマンスであることから、ビギナーでも手が出しやすいモデルでしょう。
僕の周りでも、初めてのレスポールはレスポール・スタジオというギタリストは多いですね
レスポールを愛用するギタリスト
レスポールは世界中のギタリストから愛されていますが、中でも押さえておきたいギタリストをご紹介します。こちらで紹介するギタリストをチェックすることで、よりレスポールの魅力が分かるでしょう。
レス・ポール
Gibsonのレスポールを語る上で、ギタリストのレス・ポールを外すことはできません。1915年に誕生したレスポールは、10代のころからプロとして活動を開始しました。
94年の生涯でグラミー賞を5回受賞しており、ロックの殿堂にも殿堂入りを果たしています。そのためGibsonのレスポールを開発しただけでなく、超一流のキャリアを持つギタリストでもあるのです。
ジャズやカントリーのギタリストとして活躍しましたが、ポール・マッカートニー、ラリー・カールトン、ブライアン・メイなど、ジャンルやパートを超えて幅広いミュージシャンからリスペクトされています。
その甘くセクシーなサウンドが特徴で、Gibsonのレスポールが持っている本来のトーンを完璧に引き出しています。10代、20代の若いギタリストにもぜひ聴いていただきたいギタリストです
スラッシュ
ロックには不良的な部分が欠かせませんが、その代表はGuns N' Rosesでしょう。そんなGuns N' Rosesのリード・ギタリストであるスラッシュも、レスポールを愛用しています。 スラッシュのプレイは全編に渡ってレスポール・サウンドが堪能できますが、中でもイチオシはNovember Rainのラストのギターソロです。切ないメロディラインと豪快なチョーキング。まさにレスポールのお手本のようなプレイです。
November Rainはライブの演出がシンプルにカッコいいんですよね。絵に描いたような悪ガキのアクセルがピアノを弾きながら歌い、ラストはスラッシュがピアノによじ登ってギターソロ。この行儀の悪さが最高なんですよ。大掛かりなセットを組んだり、大量の火薬を爆発させたり、ロックの演出はさまざまですが、November Rainを超える演出はありません。
スラッシュは1996年にGuns N' Rosesから脱退したものの、2016年に再び復帰。またGuns N' Rosesだけでなくソロ・アーティストとしても活動をしています。
Guns N' Rosesのギターはスラッシュのイメージですが、イジー・ストラドリンやギルビー・クラークのリズムギターも聴きどころです
エース・フレイリー
個人的にレスポールを使うギタリストとして思い浮かぶのは、KISSのエース・フレイリーなんです。派手やメイクや衣装のイメージ強いKISSですが、何より楽曲のキャッチーさが魅力だと思っています。一度耳にするだけで歌えるメロディがあるんです。
メロディのシンプルさはヴォーカルラインだけではありません。ギターソロもシンプルでありながら印象的なものばかり。これは間違いなくリード・ギタリストである、エース・フレイリーのセンスでしょう。
ポール・スタンレーとジーン・シモンズが派手な楽器を使う中、エース・フレイリーは常にレスポールを使っていました。あえてスタンダードなギターであるレスポールを選ぶセンスも最高なんです。
一筋縄ではいかないのがエース・フレイリー。なんとスリー・ハムバッカーのレスポールなんです。思わず二度見してしまうインパクトがあります。KISSを知らない若いギタリストもいると思いますが、KISSは時代を超えた普遍的なロックです。一度チェックすることをおすすめします。
今のKISSのリード・ギタリストはトミー・セイヤーですが、トミーもレスポール(ツー・ハムバッカーです)を使っていますね。
ザック・ワイルド
レスポールはメタルギタリストからも好まれていますが、ザック・ワイルドはその代表でしょう。ランディ・ローズ、ジェイク・E・リーに続くギタリストとして、オジー・オズボーン・バンドに加入しました。
デビューから一貫してレスポールを使っており、リアにEMGの81、フロントにEMGの85をマウントしています。EMGによる高出力のサウンド、低音弦の突き刺さるようなピッキングハーモニクス、そしてペンタトニックにこだわったギターソロが特徴です。
右腕全体を使った豪快なピッキングでありながら、クリアで粒立ちの良いサウンドを出すギタリストです。ザック時代のオジーの代表曲『Perry Mason』は、僕も高校生の時にライブでカバーしました。
レスポールの買取価格
楽器の買取屋さんはレスポールを高価買取いたします。ギブソン・エピフォンをはじめ、レスポールの査定をご検討中でしたらぜひお電話ください。
レスポールは見た目・弾きやすさ・サウンドともに優れたエレキギターです。 多くのプレイヤーやコレクターにに需要があるため高額査定の事例も多数あります。
レスポールの買取価格は「【相場・査定例】Gibson(ギブソン)レスポールの買取価格!高額査定が期待できるレスポールのモデル」のページで詳しく紹介します。詳しくはご覧ください。